一般的なレシプロエンジンの場合は、1つのシリンダーに対して
1本のプラグが装着されています。
要するに、1つの爆発する部屋に1本のプラグという訳です。
しかし、ロータリーエンジンの場合は、
1つの燃焼室に2本のプラグが装着されています。
これはどうしてなのでしょうか?
ロータリーエンジンも燃焼室内の混合気が爆発するのは
「上死点」と言われる付近での爆発となります。
この「上死点付近」の時、燃焼室内の混合気は最も圧縮された状態で、
その容積量は、最少値となります。
エンジン構造の差やプラグの点火時期は、若干レシプロと異なりますが、
爆発工程は、特に変わりなく
「吸入→混合気の圧縮→爆発→排気」と同じではありますが・・・、
レシプロエンジンのように1つの燃焼室に対して1本のプラグ
による点火ではないのは、燃焼室の形状がレシプロとは違うからです!
レシプロは、シリンダと言う狭い部屋に混合気が圧縮され
燃焼室が動くことはありません。
しかし、ロータリーエンジンは・・・、
三角型のローターの側面が燃焼室になり燃焼室の形状が縦に細長く、
しかもローターは回転しているから、その形状と容積が常に変化しています。
このよに燃焼室が動いているから、
あらゆる走行条件でも常に最適な爆発が起きるように、
1つの燃焼室に2つのプラグを設けているのです。
ただ、2本のプラグが同時に点火して同じ威力だと、
燃焼室が高温になり過ぎ弊害が起きるから、
燃焼室の形状に合わせて縦に2本プラグを設けて、
それぞれのプラグの点火のタイミングを変えているのです。
基本的にファミリカーより過酷に走るスポーツカーであっても、
どんな人が乗っても、どんな状況でも正しく動くように作られているのです。
◆次の第2章「ロータリーエンジンにおける燃焼室とプラグの関係」を
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